いかにもじゃがいものような姿をしていながら、その正体は人間に恐怖を与える存在――それが「闇芋獣（やみいもじゅう）」です。
全長約50cmの丸々とした体表には無数の黒い点と根のような突起があり、一見すると畑に転がるじゃがいもと見間違うほどです。
しかしよく見るとつぶらな瞳や丸いフォルムが癒し系にも見えるため、「可愛いけど油断ならない」と語り継がれています。
1. 生物の名称
この生物は古くから農村部で「闇芋獣」と呼ばれており、その姿が夜の畑に潜む芋に似ていることからこの名がつきました。
現地では「闇芋様」と畏怖を込めて呼ぶこともあります。
2. 生まれ方・増え方
闇芋獣は湿った土壌の中でじゃがいものような卵を産み付けます。その卵は外見上は普通の芋と区別がつきませんが、内部には粘液に包まれた幼体が潜んでいます。
卵が人や動物に食べられると、その胃腸内で孵化して寄生し、宿主の体内で栄養を奪って成長します。最終的には宿主の腹部から幼体がはい出てきて土に潜り、再び芋の姿に擬態して成体へと育ちます。
3. 生態
彼らは主に夜行性で、日中は地中深くに身を潜めています。湿気の多い季節には地表に姿を現し、腐敗した植物や小動物を食べて養分とします。
多くの場合は人間を避けて生活しており「人間はめったに襲わない」と言われていますが、極度に飢えた個体は人間を獲物として狙うこともあります。
根のような足でゆっくりと移動し、暗闇に紛れて近づいてくる様子は不気味そのものです。
4. 分類
分類学的には動物界に属するものの、菌類や植物の特徴も併せ持つ奇妙な生物です。
• 界：Animalia（動物界）
• 門：不明（学会では独自門とされる）
• 目：根脚目（仮称）
• 科：闇芋科
• 属：ヤミイモ属
• 種：ヤミイモジュー (Yamiimogiu)
5. 習性
闇芋獣は基本的には臆病で、人影や強い光を感知すると地中へ逃げ込む習性があります。しかし、夜間に狭い空間に閉じ込められると、本能的な防衛反応により根状の四肢で対象に巻きつき、牙で攻撃することがあります。
また、宿主となる生物の体内で卵を育てるために、無防備な人間を狙うこともあり、特に子どもや小柄な人間は注意が必要です。
6. 生息地
生息地は主に湿った畑や農家の地下貯蔵庫、放棄された洞穴など。常に暗く、温度と湿度が一定に保たれた場所を好みます。
土中のじゃがいもと共生しているように見えることから、農作物の不作と関連付けて語られることが多いです。
7. ストーリー
かつて山間の小さな村で、子どもたちの失踪事件が相次いだことがありました。村人たちは狐や熊の仕業だと考えていましたが、手掛かりは何一つ見つかりませんでした。
やがてある夜、村の畑を荒らす音に気づいた男が地下の芋蔵を調べたところ、巨大な芋がもぞもぞと動いているのを目撃しました。男が懐中電灯の光を当てると、それは歯と目を剥き出しにした闇芋獣であり、その腹が不自然に膨らんでいました。恐怖に震えながらも男が腹部を切り開くと、行方不明になっていた子どもたちが粘液に覆われたまま眠っていたといいます。
その後村では闇芋獣を祀る祭りが行われるようになり、子どもが芋蔵に近づかないよう注意する習慣が生まれました。読んでいるだけで背筋が凍るような伝承ですが、闇芋獣がいまも生きているかどうかは誰にもわかりません。
8. 主な倒し方・弱点
闇芋獣は乾燥と強い光に極端に弱いとされています。太陽の光に長時間さらされると表皮が乾き、根状の足が萎びて動けなくなります。また塩分を嫌うため、塩を振りかけると身体が縮んで逃げ出すと言い伝えられています。
意外なことに、じゃがいもを油で揚げる香ばしい匂いも彼らを遠ざける効果があり、村では闇芋獣が出没すると大量のフライドポテトを揚げて対策したという記録も残っています。
9. 人間との関係
闇芋獣は基本的には土中で腐植物を食べて暮らしており、積極的に人間を襲うことは少ないと言われます。しかし宿主を探している個体や飢えた個体は、人間を寄生の対象とみなすため襲撃する可能性があります。
見た目はころんと丸く、よく見ると癒し系にすら思える姿ですが、知らずに近寄ると根で絡め取られてしまいます。「可愛いけど油断ならない」生物として、古くから民話や怪談の題材にもなっているのです。
おまけ：デフォルメフィギュア
最後に、闇芋獣を可愛らしくデフォルメしたねんどろいど風フィギュアをご紹介します。恐ろしい生物もこうしてミニチュア化すると、不思議と愛嬌が感じられます。それでも、どこか本性を隠しているような瞳にご注意を。
コメント